Xbar-S管理図の考え方

Xbar-S管理図は、同じ条件で採ったサブグループ測定値について、平均値の変化とサブグループ標準偏差の変化を分けて見るための管理図です。 サブグループサイズが大きく、範囲ではなく標準偏差でばらつきを見たい場合に、Xbar-R管理図の前提と区別して使います。

このページはXbar-S管理図の前提、式、関連ページの選び方を整理する支援ガイドです。工程承認ではありません。工程の管理状態、合否、出荷、監査適合、認証、品質保証、原因特定、処置要否を判定するページではありません。

どのページを見るべきか

手元のデータ まず見るページ 注意点
同じサイズのサブグループ測定値で、ばらつきを標準偏差で見る このXbar-S管理図ガイド サブグループ標準偏差を使う前提を確認します。ここでは管理限界の計算や判定は行いません。
同じサイズのサブグループ測定値で、ばらつきを範囲で見る Xbar-R管理図計算ツール 少数サンプルのサブグループでは範囲を使うXbar-R管理図が検討候補になります。
個別値を時系列で見る I-MR管理図の考え方 サブグループを作れない測定値では、移動範囲を使うI-MR管理図の前提を確認します。
検査数と不良品数を見る p管理図計算ツール / 属性管理図ガイド 属性データは、連続測定値のXbar-S管理図とは別の式で扱います。
中心値と標準偏差だけで管理限界を置く 管理限界計算ツール サブグループ構造や時系列の並びは別途確認します。

Xbar-S管理図で見るもの

Xbar-S管理図では、各サブグループの平均値をXbar側、各サブグループの標準偏差をs側で見ます。 Xbar側は平均値の変化、s側はサブグループ内ばらつきの変化を確認するための入口です。

Xbar-Sを選ぶ具体例

例えば、各ロットから同じ条件で10点ずつ寸法を測定し、ロット内のばらつきを範囲ではなく標準偏差で見たい場合は、Xbar-S管理図の考え方が候補になります。 一方、各ロット2〜5点程度で範囲を使う運用ならXbar-R、1点ずつ時系列で測るならI-MR、検査数と不良品数ならp管理図として分けます。

このページでは、サブグループ化の考え方と関連ページの選び方を整理します。 点の並び、管理外れ、処置要否、工程承認、出荷可否、顧客承認は、社内SPCルールや顧客要求に基づいて別途判断してください。

代表的な式

Xbar-S管理図の係数は、サブグループサイズと標準偏差の期待値補正に関わる c4 に依存します。 実務では使用する標準、社内ルール、統計ソフトの定義をそろえてから計算します。

サブグループ標準偏差の平均 sbar = average(s_i)
Xbar chart CL grand mean
Xbar chart UCL/LCL grand mean +/- 3 * sbar / (c4 * sqrt(n))
s chart CL sbar
s chart UCL/LCL sbar +/- 3 * sbar / c4 * sqrt(1 - c4^2)

ここでは係数表や計算結果は出しません。c4、サブグループサイズ、標準偏差の定義、丸め方法が変わると、同じ測定値でも表示される管理限界が変わるためです。

静的な入力例

例えば、各サブグループを5点でそろえる場合は、下のように行ごとに1つのサブグループとして扱います。 この例は入力形の説明だけであり、計算結果、管理限界、工程状態の判定は示しません。

Subgroup 1 10.1, 10.3, 10.2, 10.4, 10.2
Subgroup 2 10.0, 10.2, 10.1, 10.3, 10.1
Subgroup 3 10.2, 10.4, 10.3, 10.5, 10.3

規格限界や工程能力との違い

管理限界は工程の時系列変動を見るための線で、USL/LSLのような規格限界とは目的が違います。 規格限界に対する余裕を見る場合は、Cp/Cpk/Ppk比較ガイドCp/Cpk計算ツールPpk計算ツールを使い分けます。

不良率、DPMO、欠点分類を扱う場合は、連続測定値の管理図ではなく、不良ppm計算ツール不良率信頼区間計算ツールを確認します。

使用前の注意

  • サブグループサイズ、測定順、ロット、測定条件が途中で混ざっていないかを確認してください。
  • 社内SPCルール、顧客要求、監査要求、測定手順がある場合は、その文書を優先してください。
  • 管理限界と規格限界を混同しないでください。
  • このページは判定ではありません。工程承認、合否判定、出荷可否、監査適合、品質保証、原因特定、処置決定には使わないでください。