品質KPIレビューガイド

品質KPIを週次・月次で見るときに、Cp/Cpk、Ppk、不良ppm、歩留まり、品質コスト、管理図を一つの点数にまとめず、目的ごとに分けて確認するためのガイドです。 「能力は足りているのか」「実際の不良は増えているのか」「費用影響はどこに出ているのか」を、同じ期間・同じ工程範囲で読み分けます。

このページは品質KPIレビューの入口整理です。出荷可否、顧客承認、監査適合、AQL、工程変更承認、是正処置の完了判断には使いません。 最終判断では、社内基準、顧客要求、測定条件、工程変更履歴、品質保証部門の確認を別途行ってください。

まずKPIを5つに分ける

品質KPIは、同じ「品質が良い/悪い」という言葉でも見ている対象が違います。 工程能力は規格とばらつきの関係、観測不良は実際に見つかった不良、歩留まりは工程通過、品質コストは金額影響、管理図は時系列の安定性を見ます。

見たい観点 代表KPI 最初に使うページ レビュー時の注意点
規格に対する余裕 Cp/Cpk、Pp/Ppk、片側能力 Cp/Cpk/Ppk比較ガイド 短期標準偏差と長期標準偏差を混ぜないで見ます。
実際に観測された不良 不良ppm、不良率信頼区間、DPMO 不良ppm計算ツール 検査数、不良品数、欠陥件数、信頼区間を分けます。
工程通過と再作業 直行率、最終歩留まり、RTY 歩留まり・RTY計算ツール 良品数だけでなく、手直し後良品と工程別歩留まりを分けます。
費用影響 スクラップ費、手直し費、不良カテゴリPareto 品質コスト・不良コストの見方 率が小さくても単価が高い不良は金額影響が大きくなります。
時系列の安定性 I-MR、Xbar-R、Xbar-S、p管理図 管理図の選び方 規格限界と管理限界を混同せず、データ形式に合う管理図を選びます。

レビュー順の例

  1. 最初に対象期間、対象工程、対象品番、測定単位、検査母数をそろえます。
  2. 測定値データがある場合は、測定データ要約測定ヒストグラムで分布を確認します。
  3. 規格と標準偏差がある場合は、Cp/CpkまたはPpkで規格に対する余裕を確認します。
  4. 検査数と不良数がある場合は、不良ppmと信頼区間で観測値の幅を確認します。
  5. スクラップ、手直し、分類別件数がある場合は、品質コストと不良カテゴリParetoで費用影響を分けます。
  6. 時系列データやサブグループがある場合は、管理図の選び方から安定性の確認に進みます。

短い確認例

ある月のレビューで、Cpk 1.25、Ppk 1.05、観測不良ppm 140 ppm、RTY 93.6%、品質コスト影響 268,000円が並んでいるとします。 この場合、Cpkだけを見て「問題なし」とせず、長期ばらつきでPpkが下がっていないか、観測不良が特定工程に偏っていないか、品質コストがどの分類に集中しているかを分けて見ます。

逆に、観測不良ppmが低くても検査数が少ない場合は、不良率信頼区間が広くなることがあります。 KPIレビューでは、単月の点だけでなく、母数、測定方法、工程変更、品種ミックス、再検査ルールをセットで確認してください。

このページで判断しないこと

  • 出荷可否、ロット合否、顧客承認、監査適合の判断は行いません。
  • Cp/Cpk、Ppk、不良ppm、歩留まり、品質コストを一つの順位に自動統合しません。
  • 工程変更、検査緩和、サンプリングルール変更、是正処置完了の承認には使いません。
  • 測定システムの妥当性は、このページだけでは判断しません。必要に応じてGage R&R/MSAの前提を確認してください。

関連して確認するページ

FAQ

Cpkが高ければ品質KPIは十分と考えてよいですか。
十分とは限りません。Cpkは規格とばらつきの関係を見る指標で、観測不良、歩留まり、品質コスト、管理図上の変化は別に確認します。
月次レビューではどのKPIから見るべきですか。
まず対象期間と母数をそろえ、工程能力、観測不良、歩留まり、品質コスト、管理図の順に、目的に合う指標だけを確認します。
品質コストが大きい場合は改善優先度をこのページで決められますか。
決められません。このページは候補整理までです。改善優先度は原因、対策費、再発性、顧客影響、リスクを別に確認して決めます。