設備ロス分析の進め方
OEEの停止・速度・品質ロス、ライン能力、タクト/サイクル、段取り替え、MTBF/MTTR、停止時間損失の結果をつなげて、どこから確認するかを整理するページです。 すでに計算した数値を並べ、静的な能力不足、実運用中のロス、停止の金額影響、品質ロスへのつながりを切り分けます。
このページは設備ロスの一次整理用です。対策内容や意思決定の最終判断には使わず、測定条件、対象期間、製品構成、現場記録、社内基準を必ず確認してください。
このページの位置づけ
設備効率計算の使い分けは、手元データから最初に使う計算ページを選ぶ入口です。 このページは、その後にOEEや停止時間損失などの結果が出た段階で、数値をどう読み分けるかを整理します。
- まだ計算ページを選べていない場合は、先に設備効率計算の使い分けを確認します。
- OEEの内訳がある場合は、停止、速度、品質のどこにロスが寄っているかを確認します。
- 能力不足が疑われる場合は、タクト/サイクルとライン能力で需要ペースと工程制約を分けます。
- 停止の影響が大きい場合は、MTBF/MTTRと停止時間損失で頻度、修復時間、金額影響を分けます。
OEEの内訳から次に見るページを選ぶ
OEEが低い場合でも、停止ロス、速度ロス、品質ロスのどれが大きいかで次に見るページは変わります。 まずOEEの3要素を分け、その後で工程能力や停止損失の計算に進むと、原因の混同を避けやすくなります。
| 見えている状態 | 次に見る計算 | 読み分けるポイント |
|---|---|---|
| 停止ロスが大きい | 停止時間損失、チョコ停、MTBF/MTTR、保全費/稼働時間 | 停止の頻度、1回あたり時間、短停止の回数、修復時間、損失単価を別々に確認します。 |
| 速度ロスが大きい | タクト/サイクル、生産達成率、ライン能力、機械負荷率 | 需要ペースに対する不足なのか、途中実績の遅れなのか、特定工程のサイクルが長いのかを分けます。 |
| 段取りや品種切替の影響が大きい | 段取り替え・切替ロス | 計画停止、段取り、清掃、確認作業を同じ定義で集計して比較します。 |
| 品質ロスが大きい | Cp/Cpk、不良ppm | 工程能力の推定値と、実際の不良数から見たppmを分けて確認します。 |
静的な能力不足と実運用ロスを分ける
ライン能力の計算は、入力した工程サイクルから見た静的な能力を確認します。 一方でOEEは、実際の稼働中に発生した停止、速度低下、品質ロスを含めて確認します。 どちらか一方だけを見ると、工程そのものが足りないのか、運用中のロスで不足しているのかが混ざりやすくなります。
- タクト/サイクルで需要ペースを確認します。
- 生産達成率で、計画対実績と残り必要ペースを確認します。
- ライン能力でボトルネック工程と静的な生産能力を確認します。
- OEEで停止、速度、品質ロスを同じ対象期間で確認します。
- 同じライン、同じ製品群、同じ集計期間で比較したかを最後に確認します。
段取り替えと突発停止を分ける
段取り替え、計画停止、突発停止をまとめて停止時間として扱うと、読み方がぶれます。 段取り替え・切替ロスは、回数と1回あたり時間の影響を見るページです。 MTBF/MTTRは故障頻度と修復時間、停止時間損失は時間あたり損失額にもとづく影響額を見るページです。
- 品種切替や清掃など、予定された停止は段取り替え・切替ロスで整理します。
- 故障や異常停止はMTBF/MTTRで頻度と修復時間を分けます。
- 時間あたり損失額を置く場合は、停止時間損失で月間・年間の影響を概算します。
つながった計算例
稼働可能時間450 min/日、必要生産数720 個/日の場合、タクトタイムは0.625 min/個です。 工程サイクルがCutting 0.42、Welding 0.65、Inspection 0.50 min/個なら、Weldingがボトルネックで、静的なライン能力は692.3 個/日です。 ここでは需要に対して約27.7 個/日不足しており、まず静的な能力差を確認できます。
同じラインで、計画稼働時間480 min、停止時間60 min、理想サイクル0.5 min/個、生産数760 個、良品数730 個、不良数30 個の場合、OEEは76.0 %です。 この結果は、静的な能力差だけでなく、停止、速度、品質の各ロスが実績側に含まれていることを示します。
さらに、1回あたり停止時間2 h、月4回、時間あたり損失額120,000 円/hで置くと、月間損失は960,000 円、年間損失は11,520,000 円です。 金額換算は損失単価の置き方で大きく変わるため、売上、粗利、外注費、残業費など、どの前提を使ったかを明記します。
このページだけでは決めません。数値は現象を分けるための入口であり、対策内容、実行可否、効果確認の方法は別途整理してください。
設備ロス分析で使う計算ツール
FAQ
- 設備効率計算の使い分けページと何が違いますか。
- 使い分けページは最初に使う計算の選び方を整理します。このページは、計算後の結果をどう並べて読むかを整理します。
- OEEだけで設備ロスの原因は決まりますか。
- 決まりません。OEEは停止、速度、品質のロスを分ける入口です。工程能力、段取り、故障頻度、損失額などを別ページで確認します。
- 停止時間損失の金額はそのまま効果額になりますか。
- なりません。時間あたり損失額の置き方による概算です。実際の効果確認では、稼働率、製品構成、在庫、外注、残業などの前提を別途確認します。
- 品質ロスが大きい場合はどこを見ますか。
- Cp/Cpkで規格とばらつきの関係を確認し、不良ppmで実績不良数から見たppmを確認します。推定値と実績値は分けて扱います。