Cp/Cpk/Ppkの違いと使い分け

Cp、Cpk、Pp、Ppkは、どれも規格に対するばらつきや中心ずれを見る工程能力・工程性能の指標です。 ただし、使う標準偏差の考え方や、観測した不良ppmとの関係が異なるため、目的に合う計算ツールを選ぶ必要があります。

このページは計算ツールの選び方を整理するサポート記事です。品質保証、出荷可否、顧客承認、監査対応、合否判断を行うものではありません。

手元データ別に選ぶ工程能力指標

まず、手元にあるデータの種類を確認します。規格限界・平均値・短期標準偏差があるならCp/Cpk、長期・全体標準偏差があるならPp/Ppk、上限または下限だけなら片側工程能力、検査数と不良数なら不良ppmを確認します。

Cp、Cpk、Pp、Ppkの比較表

指標 規格幅を見るか 中心ずれを見るか よく使う標準偏差 次に使うページ
Cp 見る 見ない 短期・工程内の標準偏差 Cp/Cpk計算ツール
Cpk 見る 見る 短期・工程内の標準偏差 Cp/Cpk計算ツール
Pp 見る 見ない 長期・全体の標準偏差 Ppk計算ツール
Ppk 見る 見る 長期・全体の標準偏差 Ppk計算ツール

例1: 同じ規格でも標準偏差の取り方で変わる

USL 50、LSL 40、平均値45.5、短期標準偏差1.2、長期標準偏差1.8の例です。 短期標準偏差で見るとCpは1.39、Cpuは1.25、Cplは1.53、Cpkは1.25です。 長期標準偏差で見るとPpは0.93、Ppuは0.83、Pplは1.02、Ppkは0.83です。

この例では、長期標準偏差のほうが大きいためPpkがCpkより小さくなります。 どちらが正しいかではなく、短期の工程内ばらつきを見たいのか、期間全体のばらつきを見たいのかを先にそろえてください。

例2: 片側仕様ではCpuやCplを見る

上限だけの仕様で、USL 50、平均値46、標準偏差1.2の場合、Cpu = (50 - 46) / (3 × 1.2) = 1.11です。 このようなケースは両側規格のCpkではなく、片側の余裕を直接見るほうが自然です。

片側仕様でも、数値だけで顧客要求や出荷判断を決めることはできません。 仕様の意味、測定方法、データ期間、工程の安定性を別途確認してください。

例3: 観測不良ppmは能力指数の推定ppmとは別物

検査数20,000、不良数8の場合、観測不良ppmは 8 / 20,000 × 1,000,000 = 400 ppm です。 これは実際に数えた不良数にもとづく値であり、CpkやPpkから正規分布を仮定して推定するppmとは意味が異なります。

手元のデータが不良数と検査数なら不良ppmを先に確認します。 サンプル数が少ない場合や0件不良の場合は、不良率信頼区間で上限側の広がりも見ます。 規格限界、平均値、標準偏差がある場合はCp/CpkまたはPpkを確認します。

計算ツールへの進み方

まず、手元のデータが「規格限界・平均値・標準偏差」なのか、「検査数・不良数」なのかを分けてください。 標準偏差を使う場合は、短期・工程内の標準偏差なのか、長期・全体の標準偏差なのかをそろえると、Cp/CpkとPp/Ppkの混同を避けやすくなります。

注意点

  • Cp/CpkやPp/Ppkは、入力した平均値と標準偏差にもとづく指標です。測定方法やデータ期間が変わると結果も変わります。
  • CpkやPpkから推定するppmは、分布仮定に強く依存します。観測不良ppmとは分けて扱ってください。
  • 工程が安定していない場合、能力指数だけで工程状態を説明できないことがあります。管理図や層別も確認してください。
  • このページは、顧客承認、監査対応、出荷可否、合否判断の代わりにはなりません。

FAQ

CpとCpkの違いは何ですか。
Cpは規格幅とばらつきの関係を見ます。Cpkは平均値の中心ずれも含めて、近い側の規格までの余裕を見ます。
CpkとPpkの違いは何ですか。
Cpkは短期・工程内の標準偏差で使われることが多く、Ppkは長期・全体の標準偏差で使われることが多い指標です。
Cpkが高ければ実際の不良ppmも必ず低いですか。
必ず一致するとは限りません。推定ppmは分布仮定にもとづき、観測ppmは実際の検査数と不良数にもとづきます。
片側仕様はCpk計算ツールで見てもよいですか。
上限だけ、または下限だけの仕様では、Cpu、Cpl、Ppu、Pplのような片側指数を確認するほうが自然です。