設備KPI比較の見方

OEE、OEEの可動率、MTBF/MTTRから見る可用率、機械負荷率、生産達成率、停止時間損失、保全費/稼働時間は、同じ設備を別の分母で見る指標です。 このページでは、週次・月次レビューでどのKPIを先に見ればよいかを整理し、次に使う設備計算ページを選びます。

比較するときは、同じ期間、同じ設備範囲、同じ停止定義、同じ生産数量の境界をそろえてください。 このページは入力条件に基づく概算整理の入口であり、設備更新、ROI、人員配置、投資判断、保全周期、予備品方針、ベンダー選定、単独KPIによる最終判断には使いません。

KPIの分母を混ぜない

KPI 何を見るか 主な分母・前提 混同しやすい点
OEE 可動率、性能稼働率、良品率を掛け合わせた設備総合効率 計画生産時間、生産数量、良品数、不良数 工程能力、設備負荷、費用影響を直接示す値ではありません。
OEEの可動率 計画生産時間の中で止まっていない割合 計画生産時間と停止時間 MTBF/MTTRから見る可用率とは停止・故障の定義が違うことがあります。
MTBF/MTTRから見る可用率 故障頻度と修復時間から見た使える割合 稼働時間、故障回数、合計修復時間 故障停止だけを見る場合、OEEの可動率と一致しないことがあります。
機械負荷率 必要負荷時間が利用可能時間をどれだけ使うか 必要負荷時間、利用可能時間、対象台数、利用可能時間係数 高い負荷率はOEEの高さや低さを意味しません。
生産達成率 計画数量に対して実績数量がどこまで進んだか 計画数量、実績数量、経過時間、残り時間 OEEが悪いのか、需要・日程・前後工程が効いたのかは別に分けます。
停止時間損失 停止時間をユーザー前提の損失単価で粗く金額化する 停止時間、停止回数、時間あたり損失額 削減効果や投資回収を証明する値ではありません。
保全費/稼働時間 保全費を稼働時間や100時間でならす 保全費、稼働時間、任意の停止時間・生産数量 会計処理、設備更新、保全方針を決める指標ではありません。
設備ロスPareto 複数ロスカテゴリを時間または入力済み損失額で並べる カテゴリ名、ロス時間、または同じ単位の損失額 根本原因や対策効果を証明する表ではありません。

どのページを先に使うか

手元データ 見たいこと 最初のページ 次に補うページ
計画生産時間、停止時間、理想サイクル、生産数、良品数 停止・速度・品質のどこにロスがあるか OEE 設備ロス分析
稼働時間、故障回数、合計修復時間 故障頻度、復旧時間、可用率を分ける MTBF/MTTR 保全指標の見方
必要負荷時間、標準時間、利用可能時間 対象設備の時間枠に対して負荷が重いか 機械負荷率 能力・負荷計画
停止時間、停止回数、損失単価 停止の粗い金額影響を見たい 停止時間損失 設備コスト強度
計画数量、実績数量、経過時間、残り時間 計画に対する進捗と残り必要ペースを見たい 生産達成率 タクトタイム
保全費、稼働時間、停止時間、生産数量 費用を時間や数量でならして見る 保全費/稼働時間 保全指標の見方
複数のロスカテゴリ ロス時間や損失額を大きい順に並べたい 設備ロスPareto 設備ロス分析

期間レビューのチェックリスト

  • 同じ期間: シフト、日、週、月、キャンペーン、製品ランをそろえる。
  • 同じ設備範囲: 単体設備、ライン、セル、工程群、設備ファミリーをそろえる。
  • 同じ生産境界: 計画生産時間、稼働時間、総生産数、良品数、検査数をそろえる。
  • 同じ停止定義: 計画停止、突発停止、故障、チョコ停、段取り、清掃、待ち、品質確認を分ける。
  • 同じ分母: h、100h、個、kg、バッチ、計画時間、稼働時間、生産数量を混ぜない。
  • 同じ費用前提: 損失単価、保全費、電力費、ユーザー入力単価、除外費目を記録する。
  • 見える化する変更: 品種構成、稼働カレンダー、計画保全、試作、季節負荷、記録ルール、センサーやログ方法。

どれかが変わった場合は、期間差を改善証明や悪化証明として扱わず、まずデータ定義の変更と実際の運転変化を分けてください。

KPIが別々に動く例

安全な読み順

  1. 対象期間、設備範囲、停止定義を先にそろえる。
  2. 停止・速度・品質の内訳なら OEE を見る。
  3. 故障頻度と修復時間なら MTBF/MTTR を見る。
  4. 必要負荷時間が設備時間をどれだけ使うかなら 機械負荷率 を見る。
  5. 計画数量に対する進捗なら 生産達成率 を見る。
  6. 止まった時間の粗い費用影響なら 停止時間損失 を見る。
  7. 保全費の重さなら 保全費/稼働時間 を見る。
  8. 複数ロスの並び替えなら 設備ロスPareto を見る。
  9. 複数ページの結果を横断するときは、設備ロス分析、設備コスト強度、保全指標の見方で読み分ける。

関連する計算とガイド

FAQ

OEEと可用率は同じですか。
同じとは限りません。OEEは可動率、性能稼働率、良品率を含む設備総合効率です。可用率は、故障と修復の定義から見る場合があり、分母が違うことがあります。
OEEの可動率とMTBF/MTTRから見る可用率はなぜ違うことがありますか。
OEEの可動率は計画生産時間と停止時間の定義に基づきます。MTBF/MTTRから見る可用率は故障回数と修復時間の定義に基づくため、待ち、段取り、短停止、計画停止の扱いで差が出ます。
機械負荷率が高いと設備の良し悪しを決められますか。
決められません。機械負荷率は必要負荷時間と利用可能時間の比率です。OEE、停止、品質、保全、現場制約とは分けて確認してください。
生産達成率とOEEはどちらを優先しますか。
計画数量への進み具合を見たい場合は生産達成率、停止・速度・品質の内訳を見たい場合はOEEを先に見ます。両方を見るときは同じ期間と数量境界にそろえます。
保全費/稼働時間が上がったら保全周期を変えるべきですか。
このページでは決めません。費用カテゴリ、計上時期、計画保全、突発修理、稼働時間の定義を分け、保全方針は別途確認してください。
KPIが改善したら対策効果を証明できますか。
証明には使いません。KPIは入力条件と定義に基づく内部レビュー用の値です。対策効果を見る場合は、期間、製品構成、運転条件、記録ルール、外部要因をそろえて別に確認してください。