能力・負荷計画の見方
タクト、ライン能力、必要台数、機械負荷率、WIP・リードタイム、製品ミックス、生産達成率、バッチ・ロット処理能力は、いずれも設備能力を考える入口になります。 ただし、同じ数字でも見たい問いが違うと使うページが変わります。このページでは、どのページを先に使うかを整理します。
ここで扱う内容は、手元データをそろえるための一次整理です。納期確約、人員配置、設備購入、投資判断、最終ラインバランス、最適な生産スケジュールの決定には使いません。
最初にそろえる前提
- 同じ期間・同じ生産境界・同じ単位で比較する
- 計画数量、稼働可能時間、休止時間、サイクルタイムの定義を分ける
- 単一工程を見るのか、複数工程の制約を見るのかを先に決める
- 平均値だけでなく、品種ミックス、ロット条件、仕掛量の影響も後で確認する
どのページを先に使うか
| 見たい問い | 先に使うページ | 確認できること | 次に見るページ |
|---|---|---|---|
| 必要生産数に対して、1個あたり何秒で作る必要があるか | タクトタイム・サイクルタイム計算 | 必要ペースと実測サイクルタイムの差 | ライン能力・ボトルネック計算 |
| 複数工程の中で、どこが能力制約になりやすいか | ライン能力・ボトルネック計算 | 工程別サイクルタイムから見た静的な制約工程 | 機械負荷率計算 |
| 目標数量に対して、並列設備が何台程度必要か | 必要台数計算 | 入力条件上の必要台数の目安 | 機械負荷率計算 |
| 既存設備の負荷が高すぎないか | 機械負荷率計算 | 所要時間と稼働可能時間の比率 | 生産達成率・必要ペース計算 |
| 仕掛量とリードタイムの整合を見たい | WIP・リードタイム計算 | 仕掛量、スループット、リードタイムの関係 | 製品ミックス加重平均サイクルタイム計算 |
| 品種ごとにサイクルタイムが違う | 製品ミックス加重平均サイクルタイム計算 | 構成比を加味した平均サイクルタイム | ライン能力・ボトルネック計算 |
| 途中実績から、残り時間で必要なペースを見たい | 生産達成率・必要ペース計算 | 達成率、残数量、残り必要ペース | タクトタイム・サイクルタイム計算 |
| ロット単位やバッチ単位の処理能力を見たい | バッチ・ロット処理能力計算 | 1ロットあたりの処理時間と期間内処理量 | 必要台数計算 |
能力確認の進め方
- まず設備効率計算の使い分けで、能力、停止、品質、保全のどこを見るかを分けます。
- 生産数が足りない症状から原因候補を分ける場合は、生産能力不足の原因切り分けガイドでタクト、ボトルネック、負荷率、停止ロスを順に見ます。
- 必要ペースはタクトタイム、複数工程の制約はライン能力で確認します。
- 並列設備の台数や負荷率は、必要台数と機械負荷率で同じ期間にそろえて見ます。
- 仕掛、品種ミックス、ロット条件が大きい場合は、WIP、製品ミックス、バッチ能力のページで前提を補います。
- 途中実績がある場合は、生産達成率で残り必要ペースを確認します。
短い確認例
1日450分の稼働可能時間で720個を作る計画なら、必要ペースは37.5秒/個です。 工程別サイクルが「切断25秒、溶接42秒、検査30秒」の場合、まずタクトタイムで必要ペースを確認し、次にライン能力で溶接工程が制約になりやすいかを見ます。
この例で分かるのは、入力した時間と数量から見た能力差の入口までです。 実際の納期、残業、人員追加、外注、設備増設、在庫対応の判断は、段取り、停止、品質ロス、要員制約、費用を別に確認して決めます。
このページで判断しないこと
- 納期確約や出荷可否の最終判断ではありません。品質、在庫、段取り、要員、物流、外部制約を別途確認してください。
- 設備購入や投資判断を推奨するものではありません。費用、リスク、代替案、稼働率のばらつきは別管理です。
- 人員配置や勤務シフトを決めるページではありません。労務、技能、休憩、法令条件は対象外です。
- 最適な生産スケジュールを自動作成するものではありません。あくまで計算ページの入口を整理するガイドです。
関連する計算とガイド
- 設備効率計算の使い分け - 設備系ページ全体の入口です。
- 生産負荷計画のラフチェック - 1つの需要・期間で、既存計算を読む順番を整理します。
- 生産能力不足の原因切り分けガイド - 足りない原因をタクト、制約工程、台数、負荷率、停止ロスに分けます。
- タクトタイム・サイクルタイム計算ツール
- ライン能力・ボトルネック計算ツール
- 必要台数計算ツール
- 機械負荷率計算ツール
- WIP・リードタイム計算ツール
- 製品ミックス加重平均サイクルタイム計算ツール
- 生産達成率・必要ペース計算ツール
- バッチ・ロット処理能力計算ツール
- 設備KPI比較の見方 - 負荷率、OEE、達成率、保全費を同じ期間で読み分けます。
- 設備ロス分析の進め方 - 能力不足に見える原因が停止や速度ロスにある場合の整理に使います。
- 設備コスト強度の見方 - 能力とあわせて停止損失や保全費の見方を整理します。
FAQ
- タクトタイムとライン能力はどちらから見ればよいですか。
- 単一の必要ペースを見たい場合はタクトタイム、複数工程の中で制約を見たい場合はライン能力から確認します。両方を見る場合は、期間と生産数量の前提をそろえてください。
- 必要台数の結果だけで設備を増やす判断ができますか。
- できません。必要台数は入力条件上の目安です。実際の判断では負荷率、停止、段取り、品質、保全、費用、代替案を別途確認する必要があります。
- WIPや製品ミックスはいつ確認しますか。
- 能力計算の結果が現場感と合わないとき、仕掛量や品種構成が影響している可能性があります。その場合はWIP・リードタイムや製品ミックスのページで前提を補ってください。
広告