冷却塔COC改善・節水効果計算

冷却塔の濃縮倍率(COC)を改善したときに、ブロー量、補給水量、排水処理費、薬剤費相当、年間削減額がどの程度変わるかを概算します。 蒸発量、改善前後のCOC、年間運転時間、補給水単価、排水処理単価をそろえることで、節水施策の一次評価に使えます。

このページは概算用です。高COC運転の可否は、水質、シリカ、硬度、アルカリ度、薬注条件、腐食・スケールリスク、排水基準、メーカー仕様を確認して判断してください。 飛散損失や漏れを削減する計算ではなく、COC改善によるブロー削減効果だけを切り分けます。

このページで分かること

  • 改善前後のブロー量と補給水量を比較できます。
  • 年間の補給水削減量と排水削減量を概算できます。
  • 水道・工水費、排水処理費、薬剤費相当を分けて年間削減額にできます。
  • 追加薬剤費や水質管理費を差し引いた正味削減額を確認できます。

水量条件







蒸発量と同じ単位

蒸発量と同じ単位

年間費用条件

h/年

円/m³

円/m³

円/m³-補給水

円/年

結果の読み方

COCを上げると、同じ蒸発量に対して必要なブロー量が小さくなります。 この簡易計算では、飛散損失 D とその他損失 L は改善前後で変わらないものとして扱うため、補給水削減量はブロー削減量と同じになります。 正味年間削減額が小さい、またはマイナスになる場合は、追加薬剤費、分析費、管理工数、排水条件を含めて再評価してください。

使用式

B_before = E / (COC_before - 1)

B_after = E / (COC_after - 1)

M_before = E + B_before + D + L

M_after = E + B_after + D + L

年間補給水削減量 = (M_before - M_after) × H

年間排水削減量 = (B_before - B_after) × H

正味削減額 = 補給水費削減 + 排水処理費削減 + 薬剤費相当削減 - 追加年間費用

  • E: 蒸発量
  • B: ブロー量
  • M: 補給水量
  • D: 飛散損失
  • L: その他損失・漏れ
  • H: 年間運転時間
  • COC: 濃縮倍率

入力値の注意点

  • 蒸発量 E は、冷却塔の熱負荷から求めるか、既存の補給水量・ブロー量から水収支を確認して入力してください。
  • 飛散損失 D とその他損失 L は、蒸発量と同じ単位で入力してください。改善前後で変わらない前提です。
  • 薬剤費相当単価は、補給水量に比例して変わる薬剤費を粗く見るための任意項目です。薬注方式が変わる場合は別途見積もりが必要です。
  • COCを10以上にする場合は、スケール、腐食、シリカ、硬度、アルカリ度、微生物管理、排水基準の確認を優先してください。

計算例

例1: COC 3から5へ改善

蒸発量1 m³/h、COC 3→5、年間4000 h、補給水200円/m³、排水150円/m³、薬剤費相当50円/m³の場合、 ブロー量は0.5→0.25 m³/h、補給水量は1.5→1.25 m³/hとなり、年間削減量は1000 m³/年、正味削減額は400,000円/年です。

例2: 飛散・漏れと追加費用を含める

蒸発量2.4 m³/h、COC 4→6、飛散0.02 m³/h、その他損失0.05 m³/h、年間6000 h、 補給水120円/m³、排水80円/m³、薬剤費相当30円/m³、追加費用100,000円/年の場合、 ブロー削減は0.32 m³/h、年間削減量は1920 m³/年、粗削減額は441,600円/年、正味削減額は341,600円/年です。

よくある間違い

  • COC改善だけで飛散損失や漏れも減るとみなしてしまう。
  • 補給水費だけを見て、排水処理費や追加薬剤費を入れ忘れる。
  • 高COC化によるスケール・腐食リスクを、削減額だけで判断してしまう。
  • 年間運転時間や季節変動を無視して、ピーク時の水量を通年条件として使ってしまう。

FAQ

COCを上げれば必ず節水になりますか?

水量収支上はブロー量が減るため補給水量も減ります。ただし、水質リスクや追加薬剤費が増える場合があるため、正味の改善効果はこのページの追加費用欄も使って確認してください。

飛散損失や漏れは改善前後で変わりますか?

このページでは変わらない前提です。飛散低減装置の更新、漏れ修理、オーバーフロー対策の効果を含める場合は、別の改善項目として分けて評価してください。

薬剤費相当単価は何を入れればよいですか?

補給水量におおむね比例する薬剤費を、円/m³-補給水として入れてください。濃縮倍率変更で薬注処方や分析頻度が変わる場合は、薬剤メーカーや水処理業者の見積もりを優先してください。

改善後COCの上限を20にしている理由は?

異常入力や非現実的な条件を避けるための安全側の上限です。実設備で許容できるCOCは、水質、材質、薬注、熱負荷、排水基準で大きく変わります。

安全注意・免責

計算結果は設備改善の一次スクリーニング用です。実際のCOC設定、水質管理、薬注変更、ブロー制御変更、排水条件の変更は、 設備メーカー、水処理業者、管理基準、法令・条例、現場の安全手順を確認したうえで判断してください。