Cooling Tower Conductivity
冷却塔 導電率・濃縮倍率計算
補給水導電率と循環水導電率から、冷却塔の濃縮倍率(COC)を概算します。 目標濃縮倍率から循環水導電率の目安を求めたり、蒸発量と組み合わせてブロー量・補給水量の一次確認にも使えます。 現場の導電率測定値を、ブロー量・補給水量・節水効果の確認へつなげるための入口です。
導電率を濃縮の目安成分として扱い、COC = C_circulating / C_makeup で概算します。
補給水と循環水は、同じ温度補償基準・同じ単位・近い時刻の測定値で比較してください。ブロー量を求める場合は、簡易式として B = E / (COC - 1) を使います。
使用式
導電率から濃縮倍率を求める場合:
COC = C_circulating / C_makeup
目標濃縮倍率から循環水導電率を求める場合:
C_circulating = C_makeup × COC
ブロー量・補給水量の簡易水収支:
B = E / (COC - 1)
M = E + B + D + L
B、D、L は別々の流出です。同じ排水をブロー量とその他損失の両方へ入れないでください。COCが1に近い場合は分母が小さくなり、ブロー量が急増します。
- C_makeup: 補給水導電率
- C_circulating: 循環水導電率
- COC: 濃縮倍率
- E: 蒸発量
- B: ブロー量
- D: 飛散損失
- L: その他損失・漏れ
- M: 補給水量
注意書き
- 導電率比は濃縮倍率の目安です。塩化物イオン、シリカ、硬度、アルカリ度などは析出・反応・薬注の影響を受けるため、成分ごとの濃縮倍率と一致しない場合があります。
- 導電率は水温の影響を受けます。ATCの有無だけでなく基準温度も確認し、補給水と循環水で同じ温度補償条件の値を使ってください。
- 薬注、酸注入、補給水の変動、漏れ、オーバーフロー、採水位置の違いにより、導電率比と実際の水収支がずれることがあります。
- 酸洗浄直後、薬剤切替直後、補給水系統切替直後などは一時的に導電率が動くため、単発値だけでCOCやブロー量を決めないでください。
- 濃縮倍率を高くするとブロー量は減りますが、スケール、腐食、シリカ、硬度、アルカリ度、排水基準の確認が必要です。
- 実設備では冷却塔メーカー資料、水処理業者の管理値、導電率制御装置の設定、実測の補給水量・ブロー量を確認してください。
FAQ
導電率から濃縮倍率を求められますか?
補給水と循環水を同じ温度補償基準・同じ単位・近い時刻に測定していれば、循環水導電率を補給水導電率で割って濃縮倍率の目安を求められます。導電率比だけで最終管理値を決めず、水質分析も併用してください。
導電率とTDSは同じですか?
同じではありません。導電率は電気の通しやすさ、TDSは溶解固形分量の目安です。相関はありますが、水質や成分により換算係数は変わります。
導電率比とシリカ・硬度の濃縮倍率が違うのはなぜですか?
導電率は水中イオン全体の影響を受けますが、個別成分は析出、沈殿、反応、薬注によって増減します。そのため、導電率COCが管理内でも、シリカ・硬度・アルカリ度などは個別の分析値と上限を確認してください。
ブロー量計算でCOCが1に近い場合はどうしますか?
B = E / (COC - 1) の分母が小さくなるため、計算ブロー量が急増します。測定条件、補給水切替、ブロー弁、オーバーフローを確認し、同じ流量をブローとその他損失へ重複入力していないか見直してください。
循環水導電率が補給水導電率より低い場合はどう考えますか?
通常の冷却塔では蒸発により溶解成分が濃縮するため、循環水導電率は補給水導電率以上になることが多いです。低い場合は採水位置、測定値、補給水の変動、ブロー過多などを確認してください。
目標濃縮倍率から導電率設定値を決められますか?
補給水導電率に目標濃縮倍率を掛けると、循環水導電率の目安になります。ただし設定値は水処理業者の管理基準、スケール・腐食リスク、排水基準を踏まえて決めてください。
ブロー量も計算できますか?
蒸発量が分かる場合は、導電率比から求めた濃縮倍率を使ってブロー量を概算できます。詳細な水処理管理では実測流量や水質分析も確認してください。
導電率が高いときはすぐブローを増やすべきですか?
まず補給水導電率、循環水導電率、採水位置、温度補償の有無を確認します。薬注や濃縮倍率の管理値と照らし合わせ、必要に応じてブロー量・補給水量・運転費への影響も確認してください。高導電率が継続しているのか、一時的な薬注・補給水変動なのかを分けて見ると、過剰ブローを避けやすくなります。