PACKED BED / ERGUN
充填層の圧力損失計算(Ergun式)
充填層を流れる流体の圧力損失を、Ergun式に基づいて粒子径、空隙率、層長さ、流速、粘度、密度から概算します。 ろ過層、触媒層、充填塔などの一次確認に使えます。
配管圧力損失とは異なり、粒子の形状、粒度分布、偏流、閉塞、空隙率が結果に大きく影響します。 実設備では実測値、装置仕様、余裕率をあわせて確認してください。
入力前にそろえる値
流速、粘度、密度は単位を統一してから入力します。
気体の物性を確認する
気体では温度・圧力によって粘度と密度が変わります。
計算結果から次に確認する
充填層の圧力損失は、配管側の圧損、単位長さあたりの圧力勾配、ポンプ動力、配管・ポンプ条件の整理へつなげて確認できます。
Ergunの式とは
Ergunの式は、粒子で構成された粉体層内を流れる流体が受ける圧力損失を予測するための式です。砂ろ過装置、触媒反応器、排水処理設備などでは、粒子層を通過する際の損失分をポンプやコンプレッサーで補う必要があります。
粉体層の複雑な流路を理論的に厳密解析する代わりに、粒子間の隙間を代表的な流路として扱い、流速・粘性・密度・粒子径・空隙率から圧力損失を概算します。
式の構成と見方
Ergunの式は、粘性による圧力損失と慣性による圧力損失の2つの項から構成されます。
ΔPL
=
150 μ (1 - ε)2 vdp2 ε3
+
1.75 ρ (1 - ε) v2dp ε3
- 圧力損失 ΔP: 粒子層を通過する流体の圧力低下です。
- 層の長さ L: 長くなるほど圧力損失は増えます。
- 流速 v: 高くなるほど、特に慣性成分の影響が大きくなります。
- 粒子径 dp と空隙率 ε: 小粒径・低空隙率ほど圧力損失が増えやすくなります。
- 粘度 μ と密度 ρ: 粘性成分と慣性成分の両方に影響します。
適用範囲と制約
Ergunの式は、粒子が均一で球状に近い形状を持つ場合に比較的よく用いられます。流速が非常に高い場合、粒度分布が広い場合、粒子が細長い場合、偏流や閉塞がある場合には、圧力損失を過大または過小評価する可能性があります。
設計や改造判断では、実測値、装置の設計条件、閉塞・汚れの状態、ポンプまたはコンプレッサーの余裕をあわせて確認してください。
よくある質問
充填層(packed bed)とは何ですか?
粒子や充填物が詰められた層を、流体がすき間を通って流れる構造です。ろ過層、触媒層、充填塔などの圧力損失確認で使われます。
充填層圧力損失計算では何の値が必要ですか?
流速、粒子径、空隙率、流体の粘度と密度、充填層の長さが必要です。単位が異なる場合は、流量換算、粘度換算、密度換算で先にそろえてください。
空隙率や粒子径はどのように扱えばよいですか?
空隙率は充填層内のすき間の割合で、0より大きく1未満の値で入力します。粒子径は代表径として扱うため、粒度分布が広い場合は実測値や設計条件に合わせて確認してください。
配管圧力損失計算とは何が違いますか?
配管圧力損失計算は空の配管内を流れる流体を対象にします。一方、充填層圧力損失計算は粒子が詰まった層を通過する流れを対象にするため、粒子径や空隙率の影響を考慮します。
計算結果をポンプ動力計算に使えますか?
圧力損失と流量条件から、ポンプ動力の概算に利用できます。ただし実設備では、配管や装置全体の損失、余裕率、ポンプ性能もあわせて確認してください。