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配管全揚程計算

流量、管内径、直管長、摩擦係数、局所損失、高低差、圧力差から、設定した始点から終点までに必要な配管系の全揚程を概算します。

始点・終点を先に決め、直管損失・局所損失・高低差・圧力差を同じ計算区間で内訳化します。結果は、同じ流量・流体条件でポンプ動力とNPSHを整理するための入口です。

使用式

STEP 1

配管系の条件を入力する

始点と終点を決めてから、流量と内径から流速を求め、直管損失・局所損失・高低差・圧力差を水頭として合算します。別計算済みの損失や機器仕様の圧力差を重ねて入力しないよう、対象区間と内訳をそろえてください。

流量と管内径

流量と管内径

計算に使う流量と、流体が実際に通る管内径を入力します。呼び径・外径ではなく内径を使います。

直管・局所損失の条件

直管・局所損失の条件

直管長、流体密度、Darcy摩擦係数、継手・弁などのK値合計を入力します。

[-]

Fanning摩擦係数ではなく、Darcy摩擦係数を入力してください。

[-]

継手、弁、入口・出口、急拡大・急縮小などの局所損失係数を合計して入力します。

高低差と圧力差

高低差と圧力差

吐出側が吸込側より高い場合の高低差と、吐出側圧力から吸込側圧力を引いた圧力差を入力します。

吐出側が吸込側より高い場合は正、低い場合は負として入力します。

開放タンク間など圧力差がない場合は0です。損失水頭と同じ圧力差を二重に入れないよう注意してください。

全揚程が出た後は、同じ流量・密度条件でポンプ動力、吸込側条件でNPSHを順に確認します。

FORMULA

使用式

配管系の全揚程を、次式で概算します。

H = Δz + ΔP/(ρg) + fD(L/D)v2/(2g) + K v2/(2g)

  • v = Q / A
  • A = πD2 / 4
  • hf = fD(L/D)v2/(2g)
  • hm = K v2/(2g)

摩擦係数はDarcy摩擦係数です。Fanning摩擦係数を使う場合は定義が異なるため、そのまま入力しないでください。高低差と圧力差は、設定した始点から終点へ向かう向きで符号を統一します。

LIMITS

結果を使う前に確認すること

このページは液体・一定密度を前提にした一次概算です。気体の圧縮性、二相流、スラリー流、配管ネットワークの複雑な分岐、時々刻々変わる系統抵抗は扱いません。

計算境界は、例えば「吸込槽の液面から吐出槽の液面まで」または「吸込フランジから吐出フランジまで」のように一つに定めます。境界の外にある配管・機器損失や圧力条件を混在させないでください。

最終選定では、ポンプ性能曲線上の運転点、機器別損失、弁開度、配管レイアウト、流体粘度、NPSH、設計余裕率を確認してください。

高低差や圧力差を負で入力できるため、全揚程が0以下になった場合は、系統の向き・始終点・符号・損失の二重計上を見直してください。負の結果だけでポンプ不要とは判断できません。

よくある質問

直管損失、局所損失、高低差、圧力差はどう分けますか?

直管損失は配管長さによる摩擦損失、局所損失は弁・継手・入口出口などの損失、高低差は液面や機器間の高さ差、圧力差は吐出側と吸込側の圧力条件です。

圧力差はゲージ圧と絶対圧のどちらで入力しますか?

圧力差として入力する場合、吐出側と吸込側が同じ基準ならゲージ圧差でも絶対圧差でも差は同じです。片側だけ基準が違う入力にならないよう注意してください。

全揚程の始点と終点はどこに置けばよいですか?

ポンプ選定では、対象にする系統を一続きに決めることが重要です。たとえば吸込槽液面から吐出槽液面までを対象にする場合は、その間の配管・弁・機器損失と両液面の高さ・圧力条件を同じ区間として扱います。ポンプ吸込・吐出フランジ間を対象にする場合は、槽側の条件を別に重ねないようにします。

全揚程が0以下になった場合、ポンプは不要ですか?

いいえ。高低差や圧力差の符号、計算境界、損失の入力範囲を先に見直してください。実際の運転では流量制御、設備圧力、配管抵抗、必要な運転余裕も関係するため、負の結果だけで設備判断はできません。

全揚程を求めた後は何を確認しますか?

流量と全揚程からポンプ動力を概算し、吸込条件が厳しい場合はNPSHも確認します。最終選定では性能曲線上の運転点を確認してください。