Scale & Corrosion Screening
LSI・RSI計算|冷却水のランゲリア指数・リズナー指数
pH、水温、TDS、カルシウム硬度、アルカリ度から、ランゲリア指数(LSI)とリズナー指数(RSI)を概算します。 冷却水や水処理条件で、炭酸カルシウムのスケール傾向・腐食傾向を一次確認するための目安として使えます。 COC改善やブロー削減を検討するときは、補給水量・ブロー量の水量収支と導電率を先に確認し、硬度・アルカリ度と合わせてLSI/RSIを読むと判断しやすくなります。
LSIとRSIは、炭酸カルシウムの飽和状態に対する経験的な指標です。 本ページは水質の総合評価、腐食速度の予測、薬注量・ブロー量・COCの最終設定、飲料水基準の判定を行うものではありません。
Formula
使用式
LSI = pH - pHs
RSI = 2 × pHs - pH
pHs = (9.3 + A + B) - (C + D)
A = (log10(TDS) - 1) / 10B = -13.12 × log10(T + 273.15) + 34.55C = log10(カルシウム硬度 as CaCO3) - 0.4D = log10(アルカリ度 as CaCO3)
Tは℃、TDSはmg/L、カルシウム硬度とアルカリ度はmg/L as CaCO3です。 logは常用対数(log10)です。
Input Notes
入力値の注意
- LSI/RSIは炭酸カルシウムの飽和傾向を見る指標であり、水質全体の安全性や腐食速度を表すものではありません。
- カルシウム硬度は、全硬度ではなくカルシウム硬度 as CaCO3 を使います。
- アルカリ度は、総アルカリ度 as CaCO3 を使います。HCO3-濃度やOH-濃度とは基準が異なります。
- TDSが不明な場合、導電率から概算されることもありますが、水質により換算係数が変わります。
- 冷却塔やボイラー水では、シリカ、塩化物、薬注、濃縮倍率、温度、実測傾向もあわせて確認してください。COCを見直す場合は、補給水・ブロー量の水量収支、導電率、同じ時点の水質分析値を先にそろえます。
Examples
計算例
- pH 8.0、水温25℃、TDS 500 mg/L、カルシウム硬度100 mg/L as CaCO3、アルカリ度100 mg/L as CaCO3では、pHsは約7.955、LSIは約0.045、RSIは約7.91です。
- 同じ条件でpHが8.5になると、LSIは約0.545となり、炭酸カルシウムのスケール傾向が強くなります。
- 同じ条件でpHが7.0になると、LSIは約-0.955となり、未飽和側の傾向が強くなります。
Common Mistakes
よくある間違い
- Ca濃度 mg/L を、カルシウム硬度 mg/L as CaCO3 として入力しないでください。
- HCO3-濃度 mg/L を、アルカリ度 mg/L as CaCO3 として入力しないでください。
- LSIが正の場合でもスケール付着を断定せず、負の場合も腐食側の傾向が決まるとは限らない点に注意してください。
- LSI/RSIだけで薬注条件、ブロー条件、COCの管理値を最終判断しないでください。
FAQ
LSIとRSIは何が違いますか?
LSIは現在のpHと炭酸カルシウムの飽和pHとの差を見る指標です。RSIはpHsを使って、スケール側か腐食側かの傾向を別の形で見る経験的な指標です。
mg/L as CaCO3とは何ですか?
硬度やアルカリ度を炭酸カルシウム換算で表した単位です。Ca濃度そのもののmg/Lや、HCO3-濃度のmg/Lとは異なります。
LSI/RSIだけで薬注条件を決められますか?
決められません。LSI/RSIは炭酸カルシウムに着目した傾向確認の目安であり、薬注量・薬剤種・ブロー条件・COCの設定値を単独で決める指標ではありません。実測値、設備条件、管理基準、薬品仕様をあわせて確認してください。シリカ、塩化物、微生物、流速、材質の影響は別に見る必要があります。
冷却塔の管理では何をあわせて確認しますか?
まず補給水量・ブロー量・濃縮倍率で水量収支を整理し、次に補給水と循環水の導電率から濃縮の状態を確認します。そのうえでpH、硬度、アルカリ度、シリカ、塩化物を同じ採水点・同じ時期の分析値でそろえ、LSI/RSIと実測のスケール・腐食傾向、薬注条件を確認します。順序を分けることで、COCの問題と水質・設備側の問題を混同しにくくなります。
TDSと導電率は同じですか?
同じではありません。導電率からTDSを概算することはありますが、換算係数は水質により変わります。
COC改善やブロー削減の前にLSI/RSIを見る理由は?
濃縮倍率を上げると、硬度・アルカリ度・TDSが上がり、スケール側へ寄りやすくなります。まず補給水・ブロー量の実測と導電率でCOCの変化を確認し、その条件でLSI/RSI、薬注条件、実測のスケール傾向をあわせて見ます。節水額だけでブローを減らさず、水質リスクと管理負荷を分けて確認すると、過度なCOC改善を避けやすくなります。
計算値が境界付近の場合はどう判断しますか?
LSIやRSIが境界付近の場合は、1回の分析値だけで判断せず、採水点、温度、pH測定時刻、補給水水質、ブロー状態をそろえて再確認してください。実測のスケール付着、腐食傾向、薬注条件とあわせて見ると、過剰なブロー削減や過剰薬注を避けやすくなります。