Cooling Tower Circulation

冷却塔 循環水量・冷却水量計算

冷却塔の熱負荷、循環水量、冷却塔レンジ(入口水温と出口水温の差)を相互に計算します。 m³/h、L/min、US gpm、kW、BTU/hに対応し、冷却塔の水量条件や補給水量計算の前提確認に使えます。 冷却水流量不足やチラーCOP低下を疑うときに、必要循環水量と実測レンジの整合を確認する入口になります。

水の顕熱として、Q_dot = V_dot × ρ × Cp × ΔT の関係から循環水量・熱負荷・レンジを概算します。 米国資料でよく見る BTU/h = US gpm × 500 × °F差 は、水の密度と比熱を丸めた同じ考え方です。

注意書き

STEP 1

入力条件

熱負荷、循環水量、レンジのうち既知の2つを入力し、残りを概算します。

熱負荷

冷却塔で除去する熱負荷を入力します。

循環水量

冷却塔を循環する水量を入力します。

冷却塔レンジ

通常「入口水温(温水) - 出口水温(冷水)」の温度差です。1 K差と1 ℃差は同じ大きさです。

物性値

水以外や温度条件が異なる場合は、比熱と密度を実条件に合わせてください。

使用式

熱負荷:

Q_dot = V_dot × ρ × Cp × ΔT

熱負荷とレンジから循環水量を求める場合:

V_dot = Q_dot / (ρ × Cp × ΔT)

熱負荷と循環水量からレンジを求める場合:

ΔT = Q_dot / (V_dot × ρ × Cp)

  • Q_dot: 冷却塔で除去する熱負荷 [W]
  • V_dot: 循環水量 [m³/s]
  • ρ: 水の密度 [kg/m³]
  • Cp: 水の比熱 [J/(kg·K)]
  • ΔT: 冷却塔レンジ [K]

注意書き

  • このページは水の顕熱としての概算です。不凍液、海水、薬液、スラリーでは比熱や密度を実条件に合わせてください。
  • 冷却塔レンジはプロセス側の熱負荷と循環水量で決まる温度差で、冷却塔のアプローチとは異なります。
  • 冷却塔のアプローチは、出口水温と外気湿球温度の差です。このページでは湿球温度や外気条件による性能判定は行いません。
  • 冷却塔ton目安は15,000 BTU/h相当として表示しています。冷凍機の冷凍トン(USRT=12,000 BTU/h)とは異なります。
  • 実設備では、メーカー性能表、湿球温度、ファン能力、充填材、汚れ、余裕率、補給水量、ブロー量も確認してください。

FAQ

冷却塔レンジとは何ですか?

冷却塔入口の温水温度と出口の冷水温度の差です。たとえば入口37 ℃、出口32 ℃ならレンジは5 ℃です。

アプローチとは違いますか?

違います。レンジは入口水温と出口水温の差、アプローチは出口水温と外気湿球温度の差です。このページではレンジだけを計算対象にしています。

米国資料の「GPM × 500 × °F差」と同じですか?

水を対象に、密度と比熱を丸めると近い式になります。このページでは密度と比熱を入力してSI単位で計算するため、条件に応じた概算ができます。

冷凍トンと冷却塔tonは同じですか?

同じではありません。一般に冷凍機のUSRTは12,000 BTU/h、冷却塔ton目安は15,000 BTU/hとして扱われることがあります。資料の定義を確認してください。

補給水量やブロー量も計算できますか?

このページは循環水量・熱負荷・レンジの計算用です。蒸発量、ブロー量、補給水量は関連ページの冷却塔補給水量計算を使ってください。

循環水量を変える前に水処理条件も見るべきですか?

はい。循環水量やレンジの見直しは、補給水量、ブロー量、COC、薬注条件、ポンプ動力にも影響します。水量側の改善と水処理費・水質リスクを分けて確認すると、運転変更の効果を説明しやすくなります。

循環水量を増やすと運転費はどう変わりますか?

循環水量を増やすとレンジや出口水温の条件が変わる一方で、冷却水ポンプ電力が増える場合があります。必要水量を確認した後は、冷却塔運転費や冷却水温度低下の損益分岐も合わせて見てください。