熱交換器の汚れ・洗浄効果の採算計算
熱交換器の汚れで総括伝熱係数Uが下がった場合や、出口温度不達から熱損失が分かっている場合に、 年間の熱損失、費用影響、洗浄費用の単純回収年数を概算します。 洗浄を実施するかどうかを決める前に、熱負荷、U値、運転時間、熱単価を同じ基準で整理するための一次確認ページです。
このページはスクリーニング用の概算です。汚れの種類、腐食、スケール、閉塞、流量不足、バイパス、プレート・チューブ破損、 洗浄方法の適否、停止リスク、メーカー保証、法令・安全手順までは判定しません。 実施判断では、運転データ、点検結果、メーカー資料、社内基準を必ず確認してください。
計算結果
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使用式
Q_ref [kW] = U_ref [W/(m²·K)] × A [m²] × LMTD [K] / 1000Q_current [kW] = U_current [W/(m²·K)] × A [m²] × LMTD [K] / 1000Q_loss [kW] = max(Q_ref - Q_current, 0)年間熱損失 [kWh-thermal/年] = Q_loss [kW] × 年間運転時間 [h/年]年額影響額 [円/年] = 年間熱損失 × 熱単価回収可能額 [円/年] = 年額影響額 × 回収率 / 100単純回収年数 [年] = (洗浄費用 + 停止損失) / 回収可能額
計算例
基準U値900 W/(m²·K)、現在U値600 W/(m²·K)、伝熱面積50 m²、LMTD 20 Kの場合、 基準能力は900 kW、現在能力は600 kW、熱損失差は300 kWです。 年間4,000時間運転し、熱単価を8円/kWh-thermalとすると、年間熱損失は1,200,000 kWh-thermal/年、 年額影響額は9,600,000円/年になります。
このうち80%を洗浄で回収でき、洗浄費用が2,000,000円の場合、回収可能額は7,680,000円/年、 単純回収年数は約0.26年、約3.1か月です。
よくある間違い
- 熱損失をkWhとkWで取り違える。
- 電気代の円/kWhと、蒸気・温水・冷水の熱単価を同じ意味で扱う。
- 洗浄でU値が新品同等まで戻ると仮定して、回収率を過大に置く。
- 停止損失、排水処理費、安全対策費、再立上げ確認を洗浄費用に含めない。
- 流量不足やバイパスが原因なのに、すべてを汚れによるU値低下と判断する。
FAQ
この結果だけで洗浄すべきか判断できますか?
判断できません。このページは費用影響の一次整理用です。洗浄方法、材質、腐食リスク、停止可否、排水処理、メーカー保証、安全手順を別途確認してください。
U値低下は必ず汚れが原因ですか?
必ずしもそうではありません。流量不足、温度条件の変化、バイパス、エア抜き不良、測定位置の違い、負荷変動でも見かけのU値は変わります。
熱単価には何を入れればよいですか?
蒸気、温水、冷水、電気ヒーターなど、対象設備で失われる熱を1 kWh-thermalあたり何円と見るかを入力します。蒸気の場合は蒸気単価から換算して使うと比較しやすくなります。
回収率はどのように決めますか?
洗浄前後の実績、過去の洗浄効果、メーカー・施工会社の見積条件、汚れの種類をもとに保守的に置きます。初回検討では100%回収ではなく、複数ケースで比較するのが安全です。