スチームトラップ容量計算

蒸気使用量、熱負荷、またはウォームアップ条件からドレン負荷を概算し、安全率を見込んだスチームトラップの必要排出能力を確認します。 実際のトラップ選定では、メーカー容量表を実差圧・背圧条件で確認してください。

このページで扱う範囲

連続運転中のドレン発生量、熱負荷からの蒸気凝縮量、立上げ時のウォームアップドレン負荷を一次目安として整理するページです。 トラップ形式、差圧ごとの定格排出能力、空気抜き、水撃、ドレン戻り配管の背圧は別途確認してください。



共通条件

kJ/kg

蒸気使用量から計算



熱負荷から計算



ウォームアップ負荷から計算

kg

kJ/(kg·K)







%

容量確認



kg/h


計算結果

-

結果の読み方

  • ドレン負荷は、入力条件で発生する凝縮水量の一次目安です。
  • 必要排出能力は、ドレン負荷に安全率を掛けた値です。
  • 定格排出能力との比較は目安です。実際の排出能力は、トラップ前後の差圧、背圧、リフト、トラップ形式で変わります。
  • ウォームアップ時は一時的にドレン負荷が大きくなるため、連続運転時だけでなく立上げ条件も確認してください。

使用式

蒸気使用量モード: m_condensate ≈ m_steam

熱負荷モード: m_condensate = Q_dot / h_fg

ウォームアップモード: Q = m × Cp × ΔT × (1 + 余裕率 / 100)

ウォームアップドレン量 = Q / h_fg

必要排出能力 = ドレン負荷 × 安全率

入力値の注意点

  • 初期値の蒸発潜熱 2200 kJ/kg は概算値です。圧力条件に近い値を入力してください。
  • 安全率は運転状態、立上げ頻度、制御方式、実差圧、背圧、戻り配管条件により変わります。
  • ウォームアップ計算は金属・機器の顕熱を対象にした概算です。製品加熱や配管内ドレンは必要に応じて別途加味してください。
  • 実設備では水撃、空気抜き、汚れ、詰まり、凍結、保温状態も確認してください。

計算例

蒸気使用量 1000 kg/h、安全率 2.0 の場合、ドレン負荷は 1000 kg/h、必要排出能力の目安は 2000 kg/h です。

熱負荷 1000 kW、蒸発潜熱 2200 kJ/kg、安全率 2.0 の場合、ドレン負荷は約 1636 kg/h、必要排出能力の目安は約 3273 kg/h です。

金属・機器質量 1000 kg、比熱 0.5 kJ/(kg·K)、20℃から120℃まで30分で昇温する場合、ウォームアップ熱量は 50 MJ、 ドレン発生量は約 22.7 kg、ウォームアップ中のドレン負荷は約 45.5 kg/h です。

よくある間違い

  • 安全率を掛ける前のドレン負荷と、トラップの必要排出能力を混同する。
  • メーカー容量表の差圧条件を確認せず、カタログ値だけで余裕ありと判断する。
  • 連続運転時の負荷だけを見て、立上げ時のウォームアップドレンを見落とす。
  • ドレン戻り配管の背圧、リフト、フラッシュ蒸気の発生を無視する。

FAQ

スチームトラップの容量はドレン量と同じですか?

同じではありません。ドレン量に安全率を見込み、さらに実差圧・背圧条件でのトラップ定格排出能力を確認する必要があります。

安全率は何倍にすればよいですか?

用途や立上げ条件で変わります。初期検討では 1.5~3 倍程度を置くことがありますが、実機ではメーカー資料と運転条件を確認してください。

ウォームアップ時のドレン量が大きくなるのはなぜですか?

冷えた配管や機器を短時間で加熱するため、立上げ時は金属の顕熱分が一時的に大きなドレン負荷として出るためです。

差圧や背圧はどこで確認しますか?

トラップ入口圧力、出口側の戻り配管圧力、リフト、フラッシュ蒸気、配管抵抗を確認します。戻り配管の条件は別途整理してください。

この結果だけでトラップ型式を選べますか?

いいえ。ここでは必要排出能力の一次目安までを扱います。最終的な型式、口径、差圧ごとの容量、空気抜き、水撃対策はメーカー資料や実設備条件で確認してください。