蒸気消費量・必要蒸気量計算

熱負荷、熱量、蒸気流量、蒸発潜熱、効率から、凝縮蒸気による加熱に必要な蒸気流量・蒸気消費量を概算します。 蒸気表や物性データベースは使わず、対象条件に近い蒸発潜熱 h_fg を入力して計算します。

このページで扱う範囲

熱負荷から連続運転時の必要蒸気流量を求める、既知の熱量から必要蒸気量を求める、 または蒸気流量から供給可能な熱負荷を概算するページです。

初期値の蒸発潜熱 2257 kJ/kg は、大気圧付近の飽和水蒸気の目安です。 実際の蒸気圧力、乾き度、過熱の有無、ドレン回収条件に応じて、適切な h_fg を入力してください。











%

効率は0より大きく100以下で入力してください。配管放熱、ドレン損失、熱交換効率などを簡易的に見込む場合は100%未満を入力します。

計算結果

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使用式

熱負荷から必要蒸気流量を求める場合:

m_dot_steam = Q_dot / (h_fg × η / 100)

既知の熱量から必要蒸気量を求める場合:

m_steam = Q / (h_fg × η / 100)

蒸気流量から供給可能な熱負荷を求める場合:

Q_dot = m_dot_steam × h_fg × η / 100

  • Q_dot: 熱負荷 [W]
  • Q: 熱量 [J]
  • m_dot_steam: 蒸気流量 [kg/s]
  • m_steam: 蒸気量(質量) [kg]
  • h_fg: 蒸発潜熱 [J/kg]
  • η: 効率 [%]

注意書き

  • このページは、凝縮蒸気が放出する潜熱を使った概算です。
  • 蒸発潜熱 h_fg は蒸気圧力、乾き度、過熱の有無、ドレン条件で変わります。対象条件に近い値を入力してください。
  • 過熱蒸気の顕熱、ドレンの顕熱回収、フラッシュ蒸気、配管放熱、制御弁の選定は含みません。
  • 実設備では立ち上げ時の昇温負荷、放熱損失、余裕率、ドレン排出、トラップ能力も確認してください。

結果の読み方

  • 必要蒸気流量は、対象の熱負荷を維持するために連続的に必要となる蒸気量の目安です。バッチ加熱の総蒸気量とは分けて確認してください。
  • 効率を100%未満にすると、放熱損失や伝熱のばらつきを見込んだ概算蒸気量として大きめに表示されます。
  • 蒸発潜熱を低く入力すると必要蒸気量は大きくなります。圧力条件や乾き度に近い値を使ってください。
  • 結果が大きい場合は、熱負荷Q、蒸気条件、加熱時間、単位がそろっているかを先に確認すると原因を切り分けやすくなります。

計算例

熱負荷100 kW、蒸発潜熱2,200 kJ/kg、効率90%の場合、必要蒸気流量は約0.0505 kg/s、約181.8 kg/hです。 この値は連続加熱時の目安であり、立ち上げ時の昇温蒸気量や配管放熱は別途見込みます。

既知熱量1,000 MJ、蒸発潜熱2,200 kJ/kg、効率90%の場合、必要蒸気量は約505 kgです。 バッチ加熱では、実際の投入時間に対してトラップ容量や制御弁容量も確認してください。

よくある間違い

  • kWの熱負荷とkJ・MJの熱量を混同し、蒸気流量と総蒸気量を取り違える。
  • 蒸発潜熱を水の加熱に必要な全熱量として扱い、給水温度や蒸気圧力の違いを見落とす。
  • 効率を100%のままにして、放熱損失やドレン排出、立ち上げ時の余裕を見込まない。
  • 蒸気量だけでトラップや制御弁を決め、差圧、同時使用率、配管圧損を確認しない。

FAQ

蒸発潜熱 h_fg はどの値を使えばよいですか?

蒸気圧力や乾き度に対応する値を使ってください。大気圧付近の飽和水蒸気では約2257 kJ/kgが目安ですが、圧力が変わると値も変わります。

効率 η には何を入れればよいですか?

蒸気の潜熱が対象物の加熱に有効に使われる割合です。熱損失やドレン損失を見込まない概算では100%、損失を見込む場合は100%未満を入力します。

蒸気流量と蒸気量は何が違いますか?

蒸気流量はkg/hやkg/sで表す単位時間あたりの消費量です。蒸気量は、バッチ加熱などで一定の熱量を与えるために必要な質量です。

過熱蒸気やドレン回収も計算できますか?

このページでは扱いません。過熱蒸気の顕熱、ドレンの顕熱回収、フラッシュ蒸気を含める場合は、別途熱収支を確認してください。

熱量・加熱冷却負荷計算との違いは何ですか?

熱量・加熱冷却負荷計算は熱量Qや熱負荷Q_dotを求めるページです。このページは、既知のQまたはQ_dotと蒸発潜熱から、必要な蒸気流量・蒸気量を求めます。