蒸気配管放熱損失・保温効果計算
蒸気配管の外径、長さ、蒸気温度、周囲温度、保温材厚さ、熱伝導率、外表面熱伝達率から、 放熱損失、蒸気ロス、年間損失額を概算します。 既知の放熱量 W/m から年間損失を見積もることもできます。
本ページは保温効果や蒸気ロスの一次評価用です。実設備では、バルブ・フランジ、サポート部、外装の損傷、 風速、雨水、表面温度、保温材の施工状態、燃料単価を別途確認してください。 蒸気単価が分からない場合は、先に蒸気単価計算で評価単価をそろえると比較しやすくなります。 最終的な保温仕様や安全判断を保証するものではありません。
計算結果
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結果の読み方
- W/m は配管1 mあたりの放熱損失です。配管長さを掛けると、区間全体の放熱量の概算になります。
- 蒸気ロスは、放熱量を入力した蒸発潜熱または蒸気評価熱量で割って概算しています。
- 年間損失額は、年間運転時間と蒸気単価を掛けた一次評価です。燃料単価、ボイラー効率、負荷変動までは直接反映していません。
- 改善後厚さを入力した場合の削減見込み額は、現状条件と改善後条件の差分です。施工費が分かる場合は、投資回収年数を別途確認してください。
- 蒸気単価は評価範囲で変わります。燃料費だけで見るのか、水処理・保全・基本料金も含めるのかをそろえて比較してください。
使用式
保温材がある場合:
R_cond = ln(r_out / r_pipe) / (2πk)
R_ext = 1 / (2πr_out h)
q = (T_pipe - T_ambient) / (R_cond + R_ext)
保温材厚さが0の場合:
q = 2πr_pipe h (T_pipe - T_ambient)
年間損失:
Q = qL / 1000
steam_loss = Q × 3600 / latent_heat
annual_cost = steam_loss × operating_hours × steam_unit_cost
計算例
外径60.5 mm、長さ100 m、配管温度180℃、周囲温度25℃、保温材厚さ50 mm、熱伝導率0.05 W/(m·K)、 外表面熱伝達率10 W/(m²·K)、年間8000 h、蒸発潜熱2200 kJ/kg、蒸気単価3円/kgの場合、 放熱損失は約46.9 W/m、総放熱量は約4.69 kW、年間損失額は約18.4万円/年です。
入力値の注意点
- 配管温度には、蒸気温度または保温内側に近い表面温度を入力します。飽和蒸気の場合は圧力から飽和温度を確認してください。
- 外表面熱伝達率は自然対流、風、表面状態で変わります。ここでは外表面側の代表値として扱います。
- 保温材熱伝導率は温度や劣化、水分、材質で変わります。対象条件に近い値を使ってください。
- バルブ、フランジ、支持部、裸配管部、保温欠損部は別途確認してください。
よくある間違い
- 配管外径と呼び径を混同する。計算には外径を入力してください。
- 保温材厚さと外径を混同する。厚さは片側の保温材厚さです。
- 蒸気単価を燃料単価のまま入力する。ここでは蒸気1 kgあたりの評価単価を使います。
- 保温材を厚くすれば必ず最適と判断する。実際には施工費、スペース、表面温度、保守性も確認が必要です。
- 削減見込み額だけで投資判断する。保温更新費、足場、停止期間、安全対策、補修範囲も合わせて確認してください。
FAQ
- この計算で保温材の最適厚さを決められますか?
- いいえ。放熱損失と削減効果の一次評価です。最適厚さは施工費、表面温度、安全基準、保守性、経済性を含めて別途検討してください。
- 蒸気ロス kg/h はどのように求めていますか?
- 総放熱量 kW を kJ/h に換算し、入力した蒸発潜熱または蒸気評価熱量 kJ/kg で割っています。
- 裸配管の放熱も計算できますか?
- 保温材厚さを0にすると、外表面熱伝達率だけを使った裸配管相当の概算として扱います。
- 表面温度も求められますか?
- このページでは表面温度の保証計算は行いません。安全確認や火傷防止には、実測または詳細な伝熱計算を優先してください。
- 投資回収年数まで計算できますか?
- このページでは削減見込み額までを概算します。施工費や保温更新費が分かる場合は、省エネ投資回収・CO2削減量計算で単純回収年数を確認してください。