ボイラー燃料消費量計算

蒸気発生量、蒸気1 kgあたりの必要熱量、燃料の低位発熱量、ボイラー効率から、ボイラーの燃料消費量を概算します。 逆に、燃料消費量から蒸気発生量を見積もることや、実績値からボイラー効率を逆算することもできます。

このページで扱う範囲

この計算は、燃料の低位発熱量(LHV)とボイラー効率を使った概算です。 蒸気1 kgあたりの必要熱量 Δh は、給水から発生蒸気までの比エンタルピー差として扱います。 飽和蒸気の蒸発潜熱だけで近似する場合もありますが、実際には給水温度、蒸気圧力、過熱の有無で変わります。

燃料発熱量、燃焼空気量、排ガス損失、ブロー損失、補機動力、燃料密度、ボイラー負荷率は設備条件により変わります。 詳細設計や保証値の確認では、メーカー資料、燃料成分、公式の蒸気表、現場の計測値も確認してください。











%

燃料消費量の単位と低位発熱量の基準はそろえてください。 たとえば MJ/kg を使う場合は kg/h、MJ/Nm3 を使う場合は Nm3/h のように入力します。

計算結果

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使用式

蒸気発生量から燃料消費量を求める場合:

F = m_dot_steam × Δh / (LHV × η)

燃料消費量から蒸気発生量を求める場合:

m_dot_steam = F × LHV × η / Δh

実績値からボイラー効率を求める場合:

η = m_dot_steam × Δh / (F × LHV)

  • m_dot_steam: 蒸気発生量 [kg/s]
  • Δh: 給水から発生蒸気までの比エンタルピー差 [J/kg]
  • F: 燃料消費量 [kg/s または Nm3/s]
  • LHV: 燃料の低位発熱量 [J/kg または J/Nm3]
  • η: ボイラー効率 [-]

入力で迷いやすい点

  • Δh は蒸発潜熱だけでなく、給水温度から蒸気条件までの比エンタルピー差として整理するのが基本です。
  • 燃料の発熱量は低位発熱量(LHV)か高位発熱量(HHV)かで値が変わります。このページではLHVとして扱います。
  • 都市ガスや気体燃料では Nm3 基準、液体燃料や固体燃料では kg 基準でそろえると扱いやすくなります。
  • 効率を逆算した結果が100%を大きく超える場合は、発熱量、流量単位、蒸気条件、計測期間がそろっているか確認してください。

結果の読み方

  • 燃料消費量は、入力した蒸気発生量と蒸気1 kgあたりの必要熱量を満たすための概算値です。燃料単価や運転時間を掛ける前の基礎条件として使います。
  • 蒸気発生量の逆算結果は、指定した燃料消費量と効率から見た理論上の発生量です。実績値との差が大きい場合は、発熱量基準やブロー損失を確認してください。
  • ボイラー効率の逆算は、計測値の整合確認に向いています。100%を超える場合は入力値の基準が混ざっている可能性があります。
  • 年間費用やCO2排出量を評価する場合は、この結果に運転時間、燃料単価、排出係数を組み合わせて確認します。

計算例

蒸気発生量1,000 kg/h、蒸気1 kgあたりの必要熱量2,600 kJ/kg、燃料発熱量40 MJ/kg、ボイラー効率85%の場合、 燃料消費量は約76.5 kg/hです。

同じ条件で燃料消費量が90 kg/hなら、入力条件上のボイラー効率は約72.2%です。 実績確認では、給水温度、ブロー量、燃料発熱量の基準もそろえて比較してください。

よくある間違い

  • LHVとHHVを混同し、燃料消費量や効率をずらして評価する。
  • kg/h、Nm3/h、L/hなど燃料流量の基準をそろえずに発熱量を掛ける。
  • 給水温度を無視して、蒸発潜熱だけでボイラー負荷を見積もる。
  • ブロー損失、放熱損失、ドレン回収の影響を含めずに、実績効率と単純比較する。

FAQ

蒸気1 kgあたりの必要熱量 Δh には何を入れますか?

給水の比エンタルピーから発生蒸気の比エンタルピーまでの差を入力します。簡易的には蒸発潜熱で近似することもありますが、給水温度や蒸気圧力が変わると必要熱量も変わります。

低位発熱量と高位発熱量はどちらを使いますか?

このページは低位発熱量(LHV)で計算します。高位発熱量(HHV)を使うと、効率や燃料消費量の見え方が変わるため、燃料データの基準を確認してください。

Nm3/h と kg/h は混ぜて使えますか?

混ぜて使えません。MJ/Nm3 を使う場合は Nm3/h、MJ/kg を使う場合は kg/h のように、燃料消費量と発熱量の基準をそろえてください。

ボイラー効率の逆算値が100%を超えました。どう見ればよいですか?

単位、発熱量基準、給水温度、蒸気圧力、計測時間、ブローやドレン回収の扱いがずれている可能性があります。まず入力基準をそろえてから、実測値と計算値を比較してください。

燃料費やCO2排出量も計算できますか?

このページでは燃料消費量までを対象にしています。燃料単価や排出係数を掛けることで概算はできますが、契約単価、燃料組成、発熱量基準、排出係数の出典を別途確認してください。