CO2濃度の時間変化計算
室容積、換気量、在室人数またはCO2発生量、初期CO2濃度、外気CO2濃度から、CO2濃度の時間変化を概算します。 指定時間後の濃度、目標濃度に達する時間、目標時刻に必要な換気量の一次確認に使えます。
このページで扱う範囲
本ページは、室内空気がよく混合され、換気量・CO2発生量・外気CO2濃度が一定とみなせる場合の概算計算です。 既存のCO2換気量計算が定常状態の必要換気量を扱うのに対し、このページでは濃度の立ち上がり・低下などの時間応答を扱います。
法定換気量、労働衛生、感染リスク、建築基準、設備選定の適否を自動判定するページではありません。 実設備では、測定位置、センサー校正、短絡流、局所滞留、在室人数の変化、給排気バランスも確認してください。
計算結果
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使用式
換気量がある場合の定常CO2濃度:
C_ss = C_out + (G / Q) × 1,000,000
換気量がある場合の時間変化:
C(t) = C_ss + (C0 - C_ss) × exp(-Q t / V)
換気量が0の場合の時間変化:
C(t) = C0 + (G / V) × t × 1,000,000
- C(t): 時刻 t のCO2濃度 [ppm]
- C0: 初期CO2濃度 [ppm]
- C_out: 外気CO2濃度 [ppm]
- C_ss: 定常CO2濃度 [ppm]
- G: CO2発生量 [m³/h]
- Q: 換気量 [m³/h]
- V: 室容積 [m³]
- t: 時間 [h]
結果の読み方
- 定常CO2濃度は、同じ換気量とCO2発生量が十分長く続いた場合に近づく濃度です。
- 時定数 V/Q は、濃度が定常値へ近づく速さの目安です。値が小さいほど応答が速くなります。
- 目標到達時間は、完全混合・一定条件の近似値です。実測ではセンサー位置や人の出入りで変動します。
- 必要換気量の逆算結果は、目標時刻に指定濃度へ近づけるための一次目安です。設備選定には静圧、騒音、外気負荷も必要です。
計算例
- 室容積100 m³、換気量300 m³/h、10人、1人18 L/h、外気420 ppm、初期420 ppmでは、定常濃度は約1020 ppmです。
- 同じ条件で0.5 h後は約886 ppm、1 h後は約990 ppmになります。
- 同じ条件で1000 ppmに達する時間は約68分です。
- 1時間後に1000 ppmとしたい場合、必要換気量は約294 m³/hです。
よくある間違い
- 定常状態の必要換気量と、指定時間後の濃度を混同しないでください。
- 外気CO2濃度を0 ppmとして扱うと、必要換気量や応答が実態より楽観的になります。
- 室容積が大きいほど濃度変化は遅くなります。換気量だけでなく室容積も必ず確認してください。
- 短絡流や局所滞留がある場合、完全混合モデルより悪い場所が発生することがあります。
注意事項
- このページは1室完全混合モデルの概算用です。多室、局所排気、漏気、制御遅れ、センサー遅れは扱いません。
- CO2濃度は換気状態の一指標ですが、健康・衛生・法令適合・感染リスクをこのページだけで判定しないでください。
- 実設備では、在室人数の変動、活動量、測定位置、給排気口位置、短絡流、外気負荷、ファン能力、ダクト圧損も確認してください。
- 目標CO2濃度は用途や基準により異なります。適用される基準や社内ルールを別途確認してください。
FAQ
CO2換気量計算ページとは何が違いますか?
CO2換気量計算ページは定常状態の必要換気量や平衡濃度を求めます。このページは、初期濃度から時間とともにCO2濃度がどう変わるかを概算します。
換気量が0でも計算できますか?
はい。換気量が0の場合は、CO2発生量と室容積から直線的な濃度上昇として扱います。ただし実際には漏気やドア開閉がある場合があります。
CO2濃度が下がる時間も計算できますか?
初期CO2濃度が高く、外気導入によって濃度が下がる条件であれば、目標濃度に達する時間を概算できます。CO2発生量がある場合は定常濃度以下には下がりません。
この結果で換気設備の適否を判断できますか?
判断できません。CO2濃度の時間応答を確認するための概算であり、法令、衛生基準、用途別基準、送風機能力、ダクト圧損、外気負荷は別途確認してください。
1人あたりCO2発生量はどの値を使えばよいですか?
活動量により変わります。事務作業、軽作業、運動、重作業では発生量が異なるため、対象条件に近い値を使ってください。