冷却コイル負荷計算
冷却コイルの入口・出口の温湿度条件と処理風量から、全熱負荷、顕熱負荷、潜熱負荷、除湿量を概算します。 乾き空気流量とエンタルピー差が分かっている場合や、目標負荷・目標除湿量から必要風量を逆算したい場合にも使えます。
このページで扱う範囲
このページは湿り空気側の熱収支から、冷却コイルまわりの負荷と除湿量を一次確認するための概算ツールです。 コイルのバイパスファクター、装置露点、冷媒・冷水側の詳細、メーカー選定、制御性までは扱いません。
実設備では、コイル面風速、圧力損失、凝縮水処理、フィンピッチ、列数、ファン発熱、ダクト熱取得、部分負荷運転、メーカー資料も確認してください。
計算結果
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使用式
入口・出口状態から計算する場合:
Q_total = m_da × (h_in - h_out)
m_water = m_da × (W_in - W_out)
Q_latent = m_water × h_fg
Q_sensible = Q_total - Q_latent
- Q_total: 全熱負荷 [kW]
- Q_sensible: 顕熱負荷 [kW]
- Q_latent: 潜熱負荷 [kW]
- m_da: 乾き空気質量流量 [kgDA/s または kgDA/h]
- h: 湿り空気エンタルピー [kJ/kgDA]
- W: 湿度比 [kg/kgDA]
- h_fg: 水の蒸発潜熱 [kJ/kg]
結果の読み方
- 全熱負荷は、冷却コイルで空気から取り除く熱量の総量です。
- 顕熱負荷は温度を下げるための負荷、潜熱負荷は水分を凝縮・除去するための負荷の目安です。
- 除湿量は凝縮水を水とみなした概算で、kg/hとL/hはおおよそ同じ値として表示しています。
- 顕熱比が極端に高い、または低い場合は、入口・出口条件、風量、湿度比差、比容積を見直してください。
入力値の注意
- 入口・出口の相対湿度だけでなく、温度と大気圧も湿度比やエンタルピーに影響します。
- 出口側の湿度比が入口側より高い条件は、冷却除湿ではなく加湿・混合・再熱に近い条件の可能性があります。
- 逆算モードの風量は、入力した比容積に依存する概算です。厳密には入口空気状態で確認してください。
- 最終的なコイル選定では、メーカー資料、バイパスファクター、装置露点、面風速、圧力損失、凝縮水処理を確認してください。
計算例
入口 27℃・60%RH、出口 14℃・90%RH、処理風量 5000 m³/h、大気圧 101.325 kPa の場合、 全熱負荷は約 39.4 kW、除湿量は約 25.6 kg/h、潜熱負荷は約 17.8 kW になります。 実際の設計では、この結果に機器効率、制御余裕、コイル面風速、冷水条件を重ねて確認します。
よくある間違い
- 標準状態換算風量と実風量を混同する。
- 入口・出口の相対湿度だけを見て、湿度比差を確認しない。
- 潜熱負荷だけを冷凍機能力とみなし、顕熱負荷やファン発熱を見落とす。
- 計算結果をそのままコイル選定値として扱い、メーカー資料や部分負荷条件を確認しない。
FAQ
冷却コイル負荷と外気導入負荷は何が違いますか?
外気導入負荷は、外気を室内条件へ処理する負荷を確認するページです。このページは、冷却コイルの入口・出口条件を直接入れて、コイル前後の負荷と除湿量を概算するページです。
顕熱負荷と潜熱負荷はどう分けていますか?
全熱負荷をエンタルピー差から求め、湿度比差と蒸発潜熱から潜熱負荷を求めます。顕熱負荷は、全熱負荷から潜熱負荷を差し引いた値として表示します。
この結果だけで冷却コイルを選定できますか?
できません。一次確認には使えますが、実際の選定ではコイル面風速、冷水条件、装置露点、バイパスファクター、圧力損失、凝縮水処理、メーカー性能表を確認してください。
除湿量のkg/hとL/hは同じですか?
凝縮水を水とみなす概算では、1 kg/hを約1 L/hとして扱えます。ただし、温度や不純物を含む場合の密度差までは考慮していません。