チョーク流・臨界流量計算

気体がオリフィスやノズルを通過するときのチョーク流(臨界流)・非チョーク流を判定し、 質量流量や基準状態体積流量を概算します。空気、窒素、酸素、二酸化炭素、任意ガスの一次確認に使えます。

このページで扱う範囲

理想気体、等エントロピー流れ、流出係数Cdを用いた簡易計算です。液体オリフィス流量、バルブCv/Kv選定、 安全弁・リリーフ弁の認証計算とは用途が異なります。実設備では形状、配管、温度、実ガス性、 メーカー資料、適用規格も確認してください。





圧力条件







温度・流出係数・ガス物性







J/(kg·K)

穴径または目標流量

「穴径から流量を計算」では等価穴径を使います。「目標流量から必要穴径を計算」では目標基準状態流量を使います。





計算結果

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結果の読み方

  • 圧力比 P2/P1 が臨界圧力比以下になると、理想気体モデルではチョーク流として扱います。
  • チョーク流では、同じ上流圧力・温度・穴径で下流圧力だけを下げても、質量流量はほぼ増えない目安になります。
  • 非チョーク流では、下流圧力や圧力比が流量に影響します。
  • Nm³/h や NL/min は 0℃・101.325 kPa abs の基準状態流量として表示しています。

使用式

r_crit = (2 / (k + 1))^(k / (k - 1))

チョーク流:

m_dot = Cd A P1 sqrt(k / (R T1) * (2 / (k + 1))^((k + 1) / (k - 1)))

非チョーク流:

m_dot = Cd A P1 sqrt(2k / (R T1(k - 1)) * ((P2/P1)^(2/k) - (P2/P1)^((k+1)/k)))

基準状態体積流量:

Q_N = m_dot R T_N / P_N

  • P1, P2: 上流・下流の絶対圧 [Pa]
  • T1: 絶対温度 [K]
  • k: 比熱比
  • R: ガス定数 [J/(kg·K)]
  • Cd: 流出係数
  • A: 開口面積 [m²]

入力値の注意

  • ゲージ圧で入力した場合、内部では大気圧を加えて絶対圧に換算します。
  • 圧力差だけではなく、上流圧力と下流圧力の絶対値が必要です。
  • Cdはオリフィスやノズルの形状で変わります。分からない場合は仮定値として扱い、実機資料で確認してください。
  • 実ガス性、配管入口損失、二相流、凝縮、温度変化、バルブ形状はこの計算には含めていません。
  • 安全弁・リリーフ弁の選定、法規・規格適合の確認には使わないでください。

計算例

  • 空気、Cd=0.8、穴径5 mm、上流0.7 MPaG、下流101.325 kPa abs、20℃では、チョーク流で約0.0297 kg/s、約82.8 Nm³/hです。
  • 空気、Cd=0.8、穴径10 mm、上流200 kPa abs、下流150 kPa abs、20℃では、非チョーク流で約0.0262 kg/s、約73.0 Nm³/hです。
  • 空気、Cd=0.8、0.7 MPaGから大気開放、20℃で10 Nm³/minを流したい場合、必要等価穴径は約13.5 mmです。

よくある間違い

  • ゲージ圧と絶対圧を混同すると、圧力比と流量が大きくずれます。
  • 液体オリフィスの式を気体にそのまま使うと、圧縮性やチョーク流の影響を見落とします。
  • チョーク流の条件で下流圧力を下げれば流量が比例して増える、と考えるのは誤りです。
  • 安全弁やリリーフ弁の最終選定を、この簡易計算だけで決めるのは危険です。

FAQ

  • チョーク流とは何ですか?
    気体流れが音速条件に達し、下流圧力を下げても質量流量が増えにくくなる状態の目安です。
  • 臨界圧力比とは何ですか?
    チョーク流になるかどうかを判断する圧力比の目安です。空気では約0.528です。
  • ゲージ圧と絶対圧のどちらを入力しますか?
    どちらでも入力できますが、計算では絶対圧に換算します。大気圧の設定も確認してください。
  • エアブローや空気漏れ計算とはどう使い分けますか?
    このページは一般的な気体オリフィス・ノズル流量の目安です。年間電気代や漏れ損失まで見たい場合は専用ページを使ってください。
  • 安全弁の選定に使えますか?
    使えません。安全弁・リリーフ弁は規格、認証、メーカー計算、流体条件を含めて別途確認してください。